ならず者が活躍する映画をみてみた。

我ながら地味な人生だと思う。典型的なサラリーマンだ。ギラギラした欲望や夢があるわけでもなく、大禍なく過ごすことを第一の信条にしている。そのためなのか昔からならず者が活躍する映画が好きだ。『ゴッドファーザー』や『グッドフェローズ』も好きだったし、HuluやNetflixを観るようになってからはアメリカのドラマ、『ソプラノズ』(マフィアのボスが家族や組織の問題で悩み精神科に通う話)や『ブレーキング・バッド』(まじめな高校の化学教師が覚せい剤を密造して教え子と売るけどうまくいかない話)などもよくみた。

自分でも何故かと思うほど現実世界では絶対に友達になれないだろう人たちが活躍する作品がすきだ。自分にないものを持つ人たちを無意識のうちに魅力的に感じているのかもしれない。現実世界で、ならず者の人たちは逆に平凡な人生を描いた作品に興味をもったりするのだろうか。

Netflixで『凶気の桜』、『ポルノスター』、『ナイン・ソウルズ』を立て続けにみた。『凶気の桜』は、変わっていく世の中に対する苛立ちを不良少年狩りという形で発散する歪んだ思想の若者とその仲間たちが、悪い大人たちに騙され自滅していく話だ。『ポルノスター』と『ナイン・ソウルズ』は私の好きな豊田利晃監督の作品で、どちらも真正の悪党たちが、自分たちの理屈で悩んだり喧嘩をしたりしながら破滅に向かって突き進むダークな青春ドラマだ。

どの作品も殴り合ったら友達みたいな要素はなく、ひたすら陰鬱で自らが抱える問題をそれぞれが破滅するような方法で解決しようとする。言葉にすると月並みだ。月並みだが、実際には夢中になって映画をみた。こうした映画をみると人間には生来の暴力や破滅への衝動があるのかもしれない、と思うことがある。暴力や破滅とは対極にあるようにみえる普通のサラリーマンの心も打つのだから。